【要注意】仮想通貨へかかる税金・確定申告②

基礎知識

この記事で解説してくれたように、仮想通貨にも税金がかかるし、場合によっては確定申告が必要なんだね。

そのとおりです。申告漏れはペナルティも発生します。

こちらの記事で仮想通貨にかかる税金や確定申告の概要を紹介しました。

ただ注意すべきポイントはまだまだ潜んでいます。今回はもう少し踏み込んで見ていきましょう。

仮想通貨取引にかかる税金の具体例

税金が発生するタイミング

仮想通貨で税金が課税されるタイミングは次の5つです。仮想通貨を保有しているだけでは税金はかかりません。

  1. 仮想通貨を売却したとき
  2. 仮想通貨で他の仮想通貨を購入したとき
  3. 仮想通貨で買い物をしたとき
  4. 仮想通貨の入手時(マイニング、レンディングやステーキングなどで)

ちなみに、仮想通貨の損益は売却した時点で確定します。
取得した時の価格と売却したときの価格の差額が損益額となります。

ただし、同一の仮想通貨を複数回購入した場合は、その平均単価が取得価格となる点に注意が必要です。

課税パターンごとの具体例

仮想通貨を売却したとき

いざ仮想通貨を売ると、その取引で所得が発生します。売却価格から取得価額を引いた差額が所得額になります。具体的な計算式は以下の通りです。

所得額=(売却価額)−(取得価額)×数量

 ちなみに、同じ仮想通貨を複数回購入した場合、平均単価が取得価額になるので要注意です。(平均単価の算出方法は、移動平均法もしくは総平均法のいずれかを選択する必要があります。)

仮想通貨で他の仮想通貨を購入したとき

例えば、ビットコインを使ってアルトコインを購入する場合など、仮想通貨同士のトレードも利益を確定したとみなされ、課税対象となります。

所得額=(購入する仮想通貨の時価)−(売却する仮想通貨の取得価額)

日本円に戻していないから税金とか関係なさそうと思いがちですが、この取引も、仮想通貨を一度売却して日本円に換金してから他の仮想通貨を購入するという取引と同じように扱われるので要注意です。

仮想通貨で買い物をしたとき

仮想通貨で商品やサービスを購入すると、支払いしたタイミングで利益が確定したとみなされ、課税対象となります。これについても、仮想通貨を売却し、日本円に換金してから商品を購入するという取引と同じ扱いです。

決済の際に使った仮想通貨の時価が、購入金額より高いときに課税対象となります。

仮想通貨の入手時(マイニングなど)

マイニングやステーキング報酬、レンディングでの利子として仮想通貨を手に入れた場合は、そのタイミングで所得が発生します。

受け取ったときの価格が収入として課税対象になります。

確定申告のポイント

確定申告が必要になる人

普段のお給料や年末調整で税金の話を聞くことが多いかもしれませんが、仮想通貨でお小遣いを稼いでいる人も確定申告って必要です。

会社勤めをされている人の給与所得などは、源泉徴収や年末調整で税金はうまく差し引かれるので、特に確定申告の手続きは必要ありません。でも、仮想通貨の利益が20万円を超える場合は話が変わります

例えば、一般の会社員で普段は給与所得で納めているけど、仮想通貨でトレードしていて20万円以上の利益がでた場合、確定申告が必要になるんです。これは、通常の収入とは別に得た利益を正確に税金を納めるための措置なんですね。

なので、気をつけなくちゃいけないのは「仮想通貨での所得も含めて、全体で20万円以上の所得がある場合」。そんなときは、確定申告をすることで税金の取り決めがスムーズに行えます。

確定申告の方法(概要)

① 仮想通貨の利益計算

まずは仮想通貨の利益計算が必要です。

利益計算にあたり、国税庁提供のエクセル計算書が公開されていますが、素人にはとても扱い難く、エラーが生じやすいです。

幸いなことに、「Cryptact」という損益計算ツールがあり、最短10秒で仮想通貨の損益計算(取引履歴をアップロードするだけ)ができる優れものもあります。

こういったツールをうまく活用しつつ、適切に計算してみましょう。

仮想通貨の確定申告、もっと簡単に。【Cryptact】

② 確定申告書の作成

計算が完了したら、次は確定申告書の作成・提出。

前のステップで計算した1年間の利益額を確定申告書の雑所得欄に記入します。

近年はオンラインで全ての手続きが可能で、国税庁の「etax」を利用すると便利です。

③ 納税

確定申告書の提出が完了すれば、次は納税。
毎年、指定の期日までに納税しましょう。納税の際は口座振替やクレジットカード、コンビニ支払いなど様々な方法があり、都合に合わせて選択できます。

なお振替納税を選択すれば、引き落とし日が4月の下旬になり、実質的に1ヶ月ほど延長されます。

仮想通貨の税金に関する注意点

総合課税と累進課税

合課税の原則: 仮想通貨所得は、給与や他の所得金額と合算されて課税されます。例えば、給与所得が700万円で仮想通貨所得が300万円なら、1,000万円が課税対象となります。

課税所得の計算: 総合課税では、合算された所得から各種控除を差し引いた「課税所得」に対して所得税が課されます。これを理解して、確定申告の際に備えましょう。

累進課税の仕組み: 仮想通貨所得も累進課税の対象であり、所得が大きいほど税率が上がります。最高税率は約55%となります。この仕組みを理解し、確定申告に臨みましょう。

申告分離課税との違い: FXや株式など他の投資商品は申告分離課税が適用され、他の所得と合算せずに税率が計算されます。仮想通貨取引は異なるので、注意が必要です。

確定申告しなかったらバレます

確定申告を軽視すると後で痛手になります。

国税局・税務署の税務調査は利益の大小に関わらず行われ、国税庁の電子商取引チームは情報提供を要請できるようになりました。小さな利益でも漏れなく把握され、無申告者や過少申告者には効率的な調査が行われます。

もし今まで申告していなかった場合、早めの過年度申告が重要です。期限後の申告には「延滞税」が課され、期間が長くなるほど税率が上昇します。確定申告を忘れたときのペナルティに注意し、早急に対処しましょう。

参考:国税庁「確定申告を忘れたとき

申告しないとペナルティがあります

確定申告の税金を怠ると、厳しいペナルティが待っています。

「延滞税」は高い税率で課され、未納金に対して督促が行われます。さらに、納める税金が少なかった場合、「過少申告加算税」が課せられます。

これらのペナルティは金銭的な損失だけでなく、督促や手続きにも時間を要します。正確な税金計算と適切な申告は、これらの厄介なペナルティを回避する重要なステップです。確定申告期限を守り、慎重に対処しましょう。

最後に

なかなか素人にはとっつきにくい内容も多い税金関係ですが、仮想通貨の投資にかかわる人にとって、税金や確定申告は絶対にスキップしてはいけないポイントです。

共に学びながら、しっかりクリアして、未来への投資を安定させていきましょう。

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